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獣医療をひも解く心理学 〜Psychology for Veterinary care〜
獣医師の業務は、時間の構造化の分類において、活動・仕事に分類されると考えられます。そして獣医師の業務の特徴として拘束時間が長いことがあげられます。このため、獣医師は活動・仕事で人生の大半の時間を構造化している傾向があると言えます。獣医師は、人生の大半を活動・仕事で時間の構造化をすることにより、肯定的・否定的ストロークをある程度の密度で恒常的に得られるメリットを持っています。その反面、他の時間の構造化で時間を費やすことを犠牲にしていると言えるでしょう。偏った時間の構造化は、偏った自我状態、人生態度、人生脚本の傾向を生む可能性があります。このことが獣医師の心身の健康を損なう結果につながることも想像できます。
また、活動・仕事に偏って時間を構造化することによってストロークを得ている場合、その人はワーカホリック(仕事依存)となっていることもあります。無意識のうちにストローク飢餓を埋める方法として自分から選んで活動・仕事で時間の構造化を行っているのです。ワーカホリックもある種の依存症であり、どこかでディスカウントのある生活を送っている可能性があります。自律性から外れた時間の構造化は自分をむしばむ可能性がありますので、仕事・活動の時間の構造化を選んでいるのが能動的か受動的かということに気づいていることは心身の健康を保つうえで大切です。
長い目で一生涯の仕事として獣医業を捉えるとき、獣医師は自律的に時間の構造化のバランスを考えて、時間を消費してゆく必要があるでしょう。今解決できない悩みを抱いている、社会に疎外され取り残されていると感じているならば、偏った時間の構造化に起因しているかもしれません。ワークライフバランスの適正化を含め時間の構造化の適正化を考える必要があるでしょう。
獣医師の時間の構造化
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